たろたろだいありー

E3でそれぞれのベールを脱いだPS3 *1とWii *2。
昨年度PSP *3とDS*4が戦い、実質DSが圧勝した。今度は据え置き型ゲーム機での対決。

最近は両機の発表でメディアが騒いでいるので、どうでもいいメスを入れてみたいと思います。

私としてはWiiが勝ってほしいのですが。
寡占は嫌なのでユーザとしては暫く五分五分が続いてほしいですね。

――

どちらが勝つかを考える前にそもそも何故SFC *5王者の時代、PS*6がそれを打破したのか。
そこから考えよう。

大体の原因は以下に当たる。

・PSのCDプレイヤーとしての機能
・開発コストがPSの方が安価
・それに伴って販売価格が安価である

CDプレイヤー機能はライトユーザを掴む為には打ってつけだった。
当時(1990年代)はまだPCもそう普及しておらずコンポなどの専用機器が無くとも再生できるのは魅力的だった。この魅力は後のPS2のDVDプレイヤーも同様である。

そしてゲームメディアがCD-R。当然メモリよりディスクの方が単価が断然安い。
従って販売に於いてプレス費用が嵩まない点があった。
それにより金の無い会社がゲームを創造することが容易で、開発環境も良かったことから時期にPS用ソフトが世の中に溢れ出す。つまり簡単にサードパーティを集められる状態であった。

一方任天堂はというと、N64 *7を出した時代。これはSFCと同じくソフトはメモリであり、開発環境も難であったためPS側へのサードパーティの移動に拍車をかけた形となった。

――

そして現在。当然ながら状況は一変している。
まず音楽やDVDのプレイヤー機能については、2000年台に入り普及しだしたPCが殆ど受け持つ形となる。
既に現在。PCを持っている家庭は少なくなく、音楽再生だのDVD再生だの全く魅力的でないのだ。寧ろPCに任せれば良いのだから、その付属で本体の値段が上昇するというリスクだけが残る時代になってきた。

次にサードパーティ。現在もなお強力なサードパーティを持っているSCE。彼らをしっかり離さなければ多分以後もPSシリーズは王者に君臨し続けるだろう。
だが、今回発表されたPS3は、値段が高い、Blu-Ray Discという先行き不明の次世代ディスクメディア、分散処理可能なCPUによるプログラムソースの複雑化。

もうPS時代にあった様々な利点が失われているような感じさえする。
特にプログラマに取っては分散処理などと言う特殊なCPUに出会えば、それだけ開発は難しくなるし、第一ソース量も増え、もはや無名会社が少量の金額を出して開発できる、そんな環境ではなくなってきた。これにより大切なサードパーティを手放す形とならなければいいのだが。

――

一方、任天堂。GC *8に入りこちらもディスクメディアに変更。N64の時代と比べ、ぐっと開発環境が良くなった。確かに現在なおGCは任天堂一社のソフトが売れていると言っても過言ではないが、それはN64の時代に比べると遥かに改善された気はする。
そして任天堂は新ゲーム機、Wiiに於いてはモーションコントロールを採用。従来のゲームを新しい方向に転換しようとしている。これはある意味「上手な逃げ」であり、一般的に言われる「テレビゲーム」の考えを逸脱した傾向がある。クリエイタにとってもこれによって己のアイデアを実現できる可能性があり、サードパーティを引き込む可能性のある要因でもある。

任天堂はPSに王者を取られた時代、細々と生き延びてきた。つまり開発力については断然SECよりはある。つまり、いかにサードパーティを引き込むかが王者再来の重要な鍵となるだろう。

――

私的な意見だと。このままでは任天堂が返り咲きする日も近いと感じる。
但しこれは現時点で言えることであり、PS3は後々ハード価格を下げる可能性があるし、Wiiに至っては価格はもとより発売日さえ決まっていない。

現在は予定だが、Wiiのローンチソフト(本体と同時発売ソフト)がマリオでなく、珍しくゼルダシリーズというのが面白い(多分初めてなのでは)。任天堂のシリーズとしてはある意味マリオを上回る人気ソフトなのでユーザがどのような動向をするか私としては気になるところ。
しかしPS3もファイナルファンタジーやグランツーリスモ、メタルギアソリッドなどまだまだハード売り上げに貢献できるソフトがあり、一概に負けるとは言い切れない。

大方Wiiの発売は10月〜11月、価格は初期のGC程度だと私は踏んでいる。
ここでPS3がせめて3万円台になってくれさえすればいい勝負になると思うのだが。

*2:開発コードは「レボリューション」